【大阪はびきの医療センター橋本章司医師】ザ・リーダー

ザ・リーダー

「大阪羽曳野市に来ています。

世界で猛威を振るう新型コロナウイルス。

今日は早くから患者を受け入れ、感染症対策に取り組むリーダーに迫ります。」

 

目に見えないウイルスは、どこに潜んでいるかわからない。

だけどこの人は、厄介な見えない敵から身を守る術を知り尽くす。

 

 

新型コロナウイルスの患者を関西でいち早くうけ入れたのは今年2月。その時も平常心を失わなかった。

 

院内の感染症対策チームのリーダーとして、ウイルスとの向き合い方を常に考えてきた。

必要以上に恐れず、だからといって油断もしない。

「見えない敵ということで、どこまで何をすればいいのかわからない。ということですけれども、やはり色んな事象ですよね。何が起こっているんだろうかということを細かく分けていくと」

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、気は抜けない。

感染症対策の最前線に立つリーダーを追った。

「はびきの医療センターにやってきました。今日はこちらの先生に色々とお話を伺います。」

 

「広大な敷地ですね」

やはり大阪府の結核療養所ということでスタートしておりますので、建物も昭和48年の白亜の塔というのからスタートしまして、もう結核の患者さんが減ってきているんですけれども、やはり今は色んな感染症ですね、そんなものに対して大阪府として対応する一つの拠点になっております

 

 

クルーズ船、ダイヤモンド・プリンセスで新型コロナに感染した乗客3人が病院に運ばれてきた。

未知のウイルスだ。

たちまち緊張が走った

来られたのが2月21日朝の2時くらい

深夜の?

そうです

じゃあここにまさに最初の患者さんが…

そうです。結構みんな疲れておられました。そのうち3名のかたですね、台湾籍のかたを当センターは受け入れ致しました

かなりでも緊張感溢れてたんじゃ…

緊張感溢れてましたねー、もうみなさんねどういうものか全くこの感染症に関してはわからないと

ここで日々、感染症の患者さんをまず、外来で受け入れて?

そうなんです

じゃあちょっと中見せて頂いていですか?

「あどうぞ」

「まずマスクですね。」

マスクの正しい付け方

「表は水をはじくようになってまして」

作りが違うんですか?

違うんです。で、こっち側のほうは毛羽立っているんですね。

まず最初は上のところ、針金の入っている方を花の形を作ってもらいます

え?付ける前なんですね?

「そうなんです形を作ってそれで耳を当てる・それでこちらのほうに下がってきました。でも今回はまだ感染予防でつかってますよね。だからここについてる可能性があるんです。ですのでこれはだめです。

だからどうするかというと横ですね。横を持ってこうする。

今の感染予防ということではここが一番汚いことになりますので

 

「じゃあいきましょうか。よろしくおねがいします」

「どうぞ」

「こちらが受付になるわけですか?」

「そうです。やはり、お話をすることによって移りますので、受け取りが全部こちらになってるんですね。」

ほんとだ開いてるところここしかないんですね?

「そうなんです。これは色んな役所とか、お話をすることによってうつるということで結核の病院はこれなれてるんですけど、こういう所に今の新型コロナの対策というところが答えがあるかもしれません。」「なるほどおくは?」

「待合室です」

より個室にしておいたほうがいいということですか?他の人と接触しないように

「そう、他の人と接触しないということです。それでこちらに向かって排気が進むようになってまして患者さんここに座ります。座ると「ごほんと(咳をしても)全部後ろに吸い込みになりますのでそちらから戸を開けられても大丈夫。」

なりほどじゃあ空気の流れが大切っていうのはこういうことですか。やっぱり吸い込まないと出したウイルスをこれが吸い込んでくれるわけですか

「そうです。吸い取ってくれるわけです」

1952年大阪府立結核療養所羽曳野病院として開院した。大阪に12ある感染症指定医療機関の一つで、2017年今の名称に。

これまでに受け入れた新型コロナの患者は68人。

感染拡大に伴い今年3月下旬、病棟の1部を新型コロナの患者専用に変えた

うちは古い建物なんで、全部ナースステーションがガラス張りになっています。

最近はオープンなんです。奥のところが。それが難しいんですね。

47年が過ぎた古い病棟が、感染対策に味方する。

病棟とナースステーションはガラスで遮断され、病室は全て個室。

何もかもが、患者受入に好都合だった。

指定医療機関の感染対策が参考になればと、撮影を特別に許可された。

ナースステーションはいわゆる「グリーンゾーン」清潔で安全なエリア「レッドゾーン」は患者や陽性や疑いのある人がいるエリアだ。

ここに一度入るとそのままグリーンゾーンには戻れない。

レッドゾーンに入るとき感染防止の防護服は、ナースステーションがあるグリーンゾーンで着用する。

これがイエローゾーンです

扉を締めて入った場所は、イエローゾーン。

レッドとグリーンのちょうど中間を意味する。

そして患者がいる奥のレッドゾーンへ。

患者が病室から出ることは厳しく制限されている。

比較的症状の軽い患者でも急に容態が悪化することがあり、心拍数や、酸素濃度をモニターでチェックしながら、治療のタイミングを逃さないため、常に注意を払う。

ウイルスを持ち込まないよう、イエローゾーンで防護服を持ち込み廃棄する。

徹底したゾーニング対策は、院内感染を防ぐ、最後のとりでだ。

「多くの医療施設がどこまでいわゆる防具をつけるかというのが問題で」

生い立ち

1963年大阪市で生まれる。

生き物が好きで医学部を目指すようになり、大阪大学に入学。

やがて分子を使って、生命を理解することに興味をもちノーベル医学生理学賞を受賞した本庶 佑医師の講義を受ける。専門は内科。

主に結核と膠原病の患者を見てきた。

恩師に恵まれ、今も忘れられない言葉がある。

「はんだりょうどんな学生さんでらしたんですか?」

そうですね基礎講座配属っていう色んなこと研究しているお部屋に顔を出して一緒に研究のお手伝いする。

今こんなおくすりを使ったらよくなるんだよ。

というのではなく、その裏にはなにがあるか?どういう事をすればもっと今よりもいい治療が出来るか。

そういう事を考えようということで

今の目の前の患者さんを治す治療も大事だけれども、10年先の治療を考えるそういうのを頭の片隅に置きながら患者さんをみていくともっともっとよく見えるよということで、呼吸器、免疫病そういうことを中心としている内科の方に進みました。

なるほど。目先の治療だったり医療だけではなく10年先のこと考えながらっていうのはなかなか大変だったんじゃないですか?

そうですね。なかなか大変でしたけどもやはりそういうようなことで少しでも時間があればそういう目でみようということで、色々その時の仲間なんかも、今あちらこちらで臨床かんもいますし、研究しているものもいますけども、未だにその時のお付き合いというのは続いています。

 

今日は思い出の品をお持ちいただいているというそうで

はい思い出の品ですね。

ちょうどこういう所に入っておりますが、こういうボールペンなんです。それとシャープペンシル

「おそろいですね」

おそろいなんです

「これは?誰から?」

これは母ですね

母親から高校の入学祝いということで

高校?!じゃあ随分前ですね

そうですね高校ですのでもう40年くらいになりますね

ずーっと使ってるんですか?今も現役で?

ずーっと使ってます。

ただもう胸に刺す習慣がありますのでそこの引っ掛けるところ3回くらい修理2回しておりますが、次引っ掛けたらもうないよと言われながらケースに入れて使っております

じゃあもしかして大学受験のときもこの子で?

もちろんこれで。これでいきました。

おまもりですねじゃあ

そうですそうです

一番長く使ってるのはこれですかねー

でも今回のこの新型コロナウイルスに関してなんですけれども、もともと武漢で出てきたのが去年暮くらいですよね。最初このウイルスを知られたときの印象っていかがでした?

本当に、やっときたかと。言う感じですね

「あ、そうですか」

 

2019年暮。中国武漢で、原因不明の肺炎患者が増えているという情報が。

その時、感染症のプロの脳裏に浮かんだこととは

またたくまにパンデミックを引き起こした新型コロナウイルス。

驚くべきことに感染症のプロは既にずっと先を見据えていた。

最初にコロナウイルスについて耳にされたときはどういう印象でしたか?

はい、ちょうど2020年東京オリンピックパラリンピックですね。

2025年の今度の関西万博ですね。

それらにめがけて、どういうような対策を立てていかなければならないか、ということをまずパッと考えました

まずですか?その12月の時点でよぎるわけですね先生の中で。

そうです

夏へ向けてですから逆算してスケジュールというか医療の段取りということですか?

そうです

最初に受け入れられたのはダイヤモンド・プリンセスのあるクルーズ船の患者さんですけでども

よく日本に無事な形で帰ってきたなぁと。で、3711名中7百数十名と。それくらいの感染ですんでいるというようにむしろよく考えました

少ないということですか?

そうです、クルーズ船というのはもともとやはり色んな危険性は言われている旅ですので

密閉ですもんね

はい、でまたその軽症だけどPCR陽性ということでどんなかたなんかなということでCTとって調べようといってとったら凄い影だったので、CTをみてびっくりと。

じゃぁCTの肺の状態で言うと、普通の肺炎で言ったらもっと息苦しいというレベルなんですか?

そうですね。同じ影で今はいってるヨーロッパ型、アメリカ型の方は結構重症です。

同じくらいのCTで?

そうです。だから明らかにウイルスのタイプは違うなあと今となって考えるとそうです

今後もまた変わっていく可能性もあるんですよね?

変わっていく可能性はあります。

ただ変わるというのは昔の2009年新型インフルエンザがそうなんですけども、メキシコ、アメリカときて日本はぐるっとまわったやつが来たんですよ。

だから日本に来たときにはそれほど実は病原性は高いものではなかったという考え方も。

あのときは最初はみんなもう拍子抜けだったんです。

もうみんな結構隔離病棟に入ってましたけど何もなく退院された。

普通の感染症でみんな済んでしまったんですよね。

だから今回のやつもそういうことで、波来たらどうかと。

ただ今回の場合の第二はというやつですね。は、むしろ重症。第3波はもっと重症かというとそれはわからない。ということですので、その分については網を張って情報を仕入れて備えていく必要がありますね。

ちょっとずつ経済を戻していく過程で、患者さんの数はやっぱり多少よりもどしというか?

ただもう今回のことで感染対策ですよね、何で移ったかということを学んでそこのところを抑え込んでいくということをするとそんなには増えないと。

殆どは大阪の場合です。

病院クラスター、介護施設クラスター、ですよね

そうですね、特定の場所でワッと広がる

そう。で、どういうところで移っているかというと、やはり高齢の方の食事介助であるとか色んなお世話をする。

それで顔を近くしてお話をするというところですね。

今後の付き合い方というか、

まず接触ですよね。ものにつきました。例えば服とか顔についてそれを目鼻口に入れない限りは移らない。

飛沫がとんだらとかいうけど、飛沫は口開けてずっとしていませんのでそんなに口には入らないですよね。

だから色んな所についたものを目鼻口に入れないと。

ですので、目鼻口に入れる前に手をアルコールでしっかり洗って乾燥させる。

乾燥させる?それはアルコールをとばす?

そうです。アルコールで洗うというのは2つの意味がありまして、一つはウイルスでやっつけられる微生物を破戒する。そしてもう一つは湿った手であちこち触りますと菌をつけてくるです。指に

じゃあしょっちゅう気にして洗いすぎて湿ったままというのはよくないんですね?

良くないですね。

まず水で洗って湿った手でどっか触りにいくと必ずくっつけてしまいます。

洗う前よりなんだったらひっついちゃうかもっていうことですか?

そうです。

アルコールで仕上げ消毒するっていうのが大事なんですね

そうです。アルコールは仕上げなんです。

ここまでの国の検査体制といいますか、例えばPCR検査にしても何にしても韓国だったり欧米とも結構比べられてはいるんですけれども、先生はそのあたりどうご覧になりますか?

まず検査数としては沢山できるに越したことはないんですけれども、日本としてはこれでいけてるような気がします。

それはなぜかといいますと、やはり今回もですよね、もちろん日本では、高齢の方、基礎疾患糖尿病高血圧、その他の病気あるかたは、やっぱり重症になって亡くなっていますけども、圧倒的に日本、韓国ですねそういうところは致死率が低い。

でもちろんこれは多くの方検査して何したいかっていうとやっぱり陰性確認。ですよね。

知っときたいっていうのはありますよね。自分はどうなんだろうっていう。

抗体検査についてなんですけれども、あれはやったほうがいいですか?

やったほうがいいと思いますね。

あまり重症でない方が多くてしかも移りやすいとなると、これを防ぐことはできない。

かかること自体は防ぐことできない。

で、かかったかたをどうするか?ということはできる。

ということで、あれば、どれくらいかかってるのかというのを見る以外やっぱり安心する。

とにかく何をもってこの病気を乗り越えたかというのを評価するものものとしては抗体検査か、ようするにこれの移り方の手段が全部わかって人類を把握してしまうか。

もしくはワクチンを打ってしまうかしかないんですよね。

 

ひとつ面白い試みをやっています。

何かといいますと、目と鼻から入ります。

でもちろん肺まで入ってしまうと出てるんですけど、結構口の中でウイルスが暫く浮いてて調子の悪いときに肺に落ち込む。

であれば、口のウイルスをイソジン。うがいも日本独特のものなんですよ。うがいをやって一つはそれをやることによって肺炎の予防が出来るんじゃないか。とくに肺がわるいかたですね。

もう一つは口の中でツバ飛びますよね。

移るのも抑えることができるんじゃないかということで真面目にイソジンのうがいの臨床研究を始めています。

ウイルスをこの中(口)で減らす事が出来るってことですか?

できる。それはウイルス自体が減ることはもう確かめてあるです。

ですので外から帰ったとき、それと寝てるときに結構誤嚥みたいに落ち込むことがありますので、寝る前と帰ったときですね、そういうとき重点をおいて、口の中をイソジンでうがいをすることによってね、肺炎の予防にできるかとか。

何をすればそういうことが抑えられるのかっていうことですね。意外と簡単なところに答えがあるのかも。

身近なところに

そうです

適切な怖がり方っていうんですかね

よく私座右の銘とかでよく言うのが平常心。やはり、起こったことに対して冷静に分析して、それで、答えというのは必ずあるはずだと」「やはり人の心に安心をもたらさなかったらそれはお医者さんちゃいますよいうことで日々に感謝ですよね。そういうふうなことをやっていければなと思っております。

 

常に10年先を見据えて医療に携わってきました。

新型コロナウイルスと向き合うには、平常心が大切だといいます。そんな橋本さんのめざす先とは

 

一刻も早い開発が待たれる新型コロナウイルス治療薬。

その一方で、重症化を抑えるため、既存の治療薬を使った臨床試験にも挑んでいる。

この病院でも既存薬の臨床試験が進む。

診察を受けているのは、今年4月まで入院していた患者だ。リウマチ治療薬アクテムラ。

ウイルスが引き起こす免疫反応の暴走を抑える働きがあると考えられている。

大規模な臨床試験に先駆け、重症になる前の患者に投与を始めた。

投与を受けた男性「入院して2日目か、3日目かそのへんは細かく覚えてないですけどとにかく頭痛がどんどん激しくなっていってそのときに先生が点滴するといってその点滴をしてから急に頭痛が治まっていったのは覚えています。

そのとき同時にアビガンという薬も飲んでいたけど、自分的には点滴が効いたようなきがする

これまでに13人の患者に投与した。

すると全員肺のの状態が改善したという。

臨床試験の結果が出るのはまだ先になるが、手応えを感じている。

この病気はけっこうね15分30分で急に悪くなることがあります。

そうなってからでは結構ね、人工呼吸器に上手く起動する前に命が問題になるということもありますので、早め早めの対応をすることになってるんですけど、今回このタイミングを逃すと命の危険があるというちょっと前に投与しました。

今年5月下旬院内で2ヶ月ぶりに勉強会を開いた。

この間、新型コロナの対応に忙殺されたが、緊急事態宣言が解除されすこし落ち着きをとりもどし、改めて、ウイルスについて様々な情報を共有する。

いつまた猛威をふるうかわからない感染症。

今回の経験からまなぶことは尽きない。

最後にきいた。

橋本医師にとってリーダーとは?

5年後10年後ということを見据えて小さなことから出来ることをまずやっていく。

すると頑張ってるかた色々周りにおられます。

そういう方にできるだけお手伝いして。

それでまたその方の笑顔を見て自分自身が元気になると。

そういうことが出来ればいいリーダーになるのかなと思います

番組情報

毎月第2日曜朝5時40分MBS

 

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