【海外で挑戦する日本人美容師】BACKSTAGE

BACKSTAGE

今回は文化の違いを乗り越え世界各国で挑戦する日本人美容師3人を追いかけます。

ブラジルで活躍する美容師河野泰吾さん

一人目が働いているのはブラジル

南米最大の都市サンパウロです。

日本からはまさに地球の裏側

この地で2014年に美容院を開業し、美容師として活躍しているのが

河野泰吾さん。長崎県出身です。

河野さんが目指しているのが日本のサロンのようなサービス。

細やかな気配りを、ブラジルのお客さんにも提供したい。

でも、ここブラジルで日本式の気配りをしていくのは、かなり大変なことなんです。

 

奥様ミリアンさんの故郷がブラジル。

それをきっかけに河野さんは奥様と共にこの国で働き始めたんです。

オープンした美容院の名前はdomi(ドミ)

ドミはラテン語で「家で」という意味。

現地の日本人や日系人のお客さんに日本にいるような気持ちになってもらいたい。

という想いが込められています。

 

日本以上の高度な技術と細やかな気配りを提供するそれが美容院を始めた時に掲げた目標です。

 

料金はカットだけで5000円前後。

ブラジルではちょっと高めだそうです。

 

では一般的なブラジルの方は、どんなところで髪を切っているんでしょう

訪れたのはサンパウロの郊外。

昔から変わらないブラジルの散髪屋さんです。

シャンプーはせずカットのみ。料金は600円

そもそもブラジルには美容師免許もありません。

使う道具も殆どバリカン

多くのブラジル人男性は、こうしたお店でカットします。

理由はその紙質。

河野「くせ毛の人が多いですよね。

なのでちょっと伸ばしちゃうとくりくりって出てきちゃうんで皆さん3週間に一回くらいカットしているんで、男性だと短く肌が見えるくらい刈り上げるお客さんが多いですね。

サッカー選手みたいな感じで。

 

月の平均月収が6万4000円ほどのサンパウロ。

だからカットの値段も安いんです。

 

一方河野さんの店に来る7割は日本人で3割は現地の富裕層。

値段は10倍ほどにもなるため、最高のサービスを心がけます。

 

河野さんのサロンに次のお客さんが。

常連のデボラさんです。ブラジルならではの挨拶が。

入店のとき、肘と肘を合わせる。

本来はハグをして頬にキスするんですが、新型コロナの感染者数が100万人を超えたブラジルではなるべく接触を避けるため、代わりに肘で。

そんな挨拶を含め、ブラジルの陽気なノリに合わせるのが、最初はなかなか大変だったとか。

 

今日はカラーリングとカット。

河野さんは最高のサービスで応えます。

カラーリングが乾くまでの間、河野さんは店の片隅でランチです。

ブラジル料理かと思ったら何故か巨大な茶碗蒸し。

更に鳥のササミって、糖質制限ですか?

でもこれにはちゃんと理由があるんです。

河野「時間がある時にちょっとずつ食べるので、できるだけ臭いが少ないものとかすぐ噛んで飲み込めれるようなモノをいつも用意しておいて食べています

 

カラーリングを終えシャンプーへ。

ここに、河野さんの美容院らしいこだわりが。

ブラジルではシャンプー台の位置が高い事が多いため首に負担がかかります。

そこで河野さんは、寝たまま洗えるシャンプー台と椅子を導入。

首の負担を軽くしました。

顔に水がかからないように布をかけるのもブラジルでは珍しいそうです。

全て日本では当たり前のことですが、そんな細かい気配りのサービスをブラジルの人にも味わってもらいたいという河野さん。

そのためシャンプー台と椅子も苦労してブラジルで探し出しました。

でもこの国ではなかなか手に入らないものも。美容師の魂。ハサミです。

河野さんが使っているのは、日本製のハサミお値段6万円。

ブラジルでは扱っていない品なので、日本に一時帰国した時、わざわざ工場に行って、研いでもらっているんです。

 

全力を注いだスタイリング完成しました。

河野「どう?こういう感じで

お客「OKよ。最高よ。ありがとう

お客「他のサロンで着ると髪が伸び始めるとうまく髪型が決まらなくなる。

でもダイゴのカットは日が経つにつれて馴染んでいい感じになってくるのね。

それが私がダイゴを求める理由の一つですね

 

河野さんの技術と気配り。ブラジルでも受け入れられたようですね。

 

開業して6年。奥様のミリアさんはどう思っているんでしょうか。

 

奥様「ブラジルにいる日本人の方をアテンド出来ることは、本当に毎日夢が叶った感じですね。

すごいダイゴが前向きなんで、何でも出来るなって思っちゃいました。

韓国で働く美容師HIROさん

続いての舞台は韓国

ここで美容師として働いている日本人が愛知県出身のHIROさんです。

韓国で15年のキャリアをもつHIROさんですが、未だに苦労するのが、お客さんの美意識の高さ。

リクエストに応えるのは本当に大変だといいます。

 

HIRO「日本人美容師に切ってほしいっていうっていう風に紹介されて来る方が結構多いんですよ。

そうすると、期待を膨らませて来られるじゃないですか。

だから「今日どうされますか?」ど聞くと大体皆さんの答えが「お任せします」なんですよ。

 

HIROさんが働くのは、ソウル最大の繁華街明洞。

エステなど美に関するお店の多いエリア。

 

この日の出社は朝10時。

お客さんの半分は韓国人残り半分は韓国在住の日本人だそうです。

韓国のお客さんにはもちろん韓国語で対応。

 

常連客姉妹「(HIROさんは)感がよくて私達が求めていることを素早く察知してヘアスタイルを提案、説明してくれる

お二人とも、HIROさんのスタイリングを信頼しているそうです。

 

でも韓国で働き始めた15年前は美へのこだわりが強いお客さん相手に失敗の連続だったそうです。

HIRO「長さは2,3回やり直しました。

もっと切ってくださいもっと切って下さいって言われて、パーマとかも(韓国の)雑誌を見ると凄い緩いんですよウェーブが。

じゃあその通りにすると「かかってないじゃないの!」って言われてもう一回かけ直すっていう事が結構ありました。

 

なぜ苦労の多い韓国で美容師をする事になったんでしょうか?

HIRO「始めは留学で韓国に行ったんですが、留学当時に、韓国人の彼氏が出来て、結婚を機に韓国に行くことになって

その後韓国で美容師として働き始めたHIROさん。

今は2児の母でもあります。

ちなみに今韓国で流行っているのはどんな髪型なんでしょう。

HIRO「ちょっと前にいてんうぉんクラスがドラマで流行っていたので「キムダミ」さん(の髪型)を結構オーダーされましたね。

韓国と日本の女の子の違いって、ちょっと前髪が違うんですね。

韓国は若干シースルーバングじゃないですか。

前髪がある人はシースルーバングなんですけど、日本人の場合若干もう少し厚めなスタイルが多いんですね

 

HIROさんお客さんが来る前に同僚とランチへ。

訪れたのは近くの韓国料理屋さんです。

 

HIROさんが注文したのは水冷麺(ムルレンミョン)。

ピョンヤンがルーツと言われる夏の定番メニューです。

 

次のお客さんが来店しました。

お客「他の所でパーマかけてもらったけどカットはHIROさんにしてもらいたいなって

別のサロンでパーマをかけ、カットだけHIROさんに依頼。

さすが美にこだわる韓国の女性です。

この日のオーダーは毛量調整。

髪をすく技術は、HIROさんの売りの一つ。

HIRO「このお客様は凄く軽くするのは嫌いでどちらかというと上にボリューム感があるほうが好きなので、ボリュームが欲しくない所だけ毛量調節をしていますね

もともと韓国には、髪をすいて毛量を調節する技術はなかったそうです。

HIROさんが韓国に来た2005年ごろ、そんな日本ならではのカットが注目されるように。

そして彼女の技術を求め多くのお客さんが集まるようになったんです。

さて美にこだわるこちらのお客さん。

仕上がりへの反応は?

HIRO「長さはどうですか?

お客「いいですね。

気に入ってくれたようです。

お客「友達にどこでやったか聞かれるんですけど、本当はあまり教えたくないけど仕方なく教える。そうすると友達も来るんです。

韓国の美へのこだわりに応えるため、HIROさんの挑戦は続きます。

インドで働く美容師徳見さん

続いての舞台は世界で2番目に人口の多いインド。

首都デリーから近い街、グルグラムです。

ここで美容師として働く日本人がサロンを構えて7年になる徳見勇郎さん。

実は徳見さん、日本で年収1000万以上を稼ぐカリスマ美容師でした。

でもここインドではこれまで培ってきた美容師の技術をほとんど活かす事が出来ず苦労しているといいます。

徳見「(インドでは)毛先をトリミングする程度の人が多くて基本的に髪型を変えないんですよ。

 

日本での常識が通用しないインドに悪戦苦闘しているんです。

 

徳見さんの働くグルグラムは、多くの日系企業も進出している近代的な都市です。

でも一本細い道に入ると風景は一変。

自宅から歩いて5分。店に到着しました。

様々な店舗が入ったビルの一角に、徳見さんが経営する美容院があります。

訪れたのは、毎月徳見さんに髪を切ってもらっているという、日系企業にお勤めの常連。

美容院を訪れるお客さんの7割は日本人です。

もちろん、もっと多くのインドの方に自分の腕をふるいたいとは思ってはいますがなかなかうまくいきません。

 

そもそもインドではあまり髪型を変えないことにくわえ、多くの人が利用しているのが、およそ60円でカットしてくれる路上の理髪店。

それに比べて、徳見さんのお店はおよそ5000円と、かなりお高め。

でもこの値段には理由が。

 

徳見さんは大阪で30年以上美容師として活躍。

年収1000万円これまで1000人以上の弟子を育てたカリスマ美容師です。

インドにない高い技術とサービスに自信があるからこその料金。

年収は大幅にダウンしましたが

徳見「日本人美容師としては誰も経験していないことなので、また文化の違う所で力量を発揮して広めてっていう大きな夢が持てて、とても刺激になっていいかなと思っています

 

とはいえインドならではの環境が徳見さんを悩ませます。

 

たとえばシャンプーをするとき

徳見「水と戦い。水が出えへん

突然水圧が弱くなってしまいました。

 

インドでは政府が配給する水をタンクに溜め、各部屋に流します。

そのため、水の量に限りがあるんです。

 

シャンプーに時間がかかりましたがお客さんも満足。

 

徳見さん、次のお客さんが来る前にランチタイムです。

メニューはアイスクリームのトーストサンド。

ランチタイム2分。

ここでもやっぱり食事はスピーディ。

 

こちらも日経企業に勤める日本人のお客さん。

徳見さんの店は初めて。

髪を切るのも半年ぶりだそうです。

お客さんがオーダーしたのは、徳見さんが得意とするパーマ。

でもその技術をなかなか発揮出来ないことが多いといいます。

徳見「パーマのお客様に対しては、ものすごくクレームが多いですね。

クレームが多い理由はが、パーマっていうことが多分どういうものかあまり認識されていないような事が多いと思うので、日本人のお客様よりも3倍近く説明して納得して頂いてもクレームがきますね。

 

インドは女性の髪は長くてストレートというのが根強い国。

パーマを望むお客さんでも知識はあまりありません。

しかも不満があればはっきりと伝えてきます。

 

様々な壁にぶつかりながら、異国の地で7年。

そもそも徳見さん、なぜインドで美容院を始めたんでしょう。

徳見「前に勤めてた会社でインドに支店を出そうっていう話で、結果的にインドに来てから急にその話が無しになって

開店が中止となった新しい店

でも徳見さんは何もしないまま帰るわけにはいかない!と会社を辞め、インドで自分の腕を試そうと思ったんです。

で仕事するようになって(最初は)出張美容師ですよね、でものすごいお客さんに喜ばれるわけなんですよ。

俺の最後のステージココにしようかなっていう。

挑戦っていう感じですね。

日本で身につけた技術を異国の文化とミックスさせお客さんを喜ばせる美しさへの挑戦は続きます。

番組情報

毎週日曜夜11時30分

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